57)板金屋さんの登場です
屋根周りの板金工事がひと段落すると、バルコニー手すりの一番上の板金や木製造り付け建具の敷居や格子の屋根の板金工事が始まります。
アルミサッシや木製サッシなどのメーカー品以外に、手造りでつくる窓があります。
木製建具をつくる建具屋さんが寸法にあわせてつくるオーダーメイドの窓です。
調布の家では、玄関の出入り口引き戸と玄関の小窓などです。
また、雨戸を格子戸にするので、それも手造りの雨戸です。
それらを付けるためには、大工さんが敷居と鴨居を造り付け、板金屋さんが雨から守るための板金を敷居や鴨居につけます。
その加工を、現場の寸法に合わせて造ります。
板金メーカーがつくったガルバニウム鋼板を寸法に合わせて切り取ります。
加工に使う道具はシンプルです。
金属の物差し=「金尺(かねじゃく)」とL形の「指しがね(さしがね)」、型をとる鉄の刃物のような「刀刃(かたなば)」、筋状の線を引く「げがき」などです。
寸法を記入する小さな手帳も必需品です。
そのほかに、各種板金鋏(はさみ)が、かわいい板金のかごに入っています
口先が曲がったつかみ鋏は板金を曲げるときに使う基本的な板金鋏ですが、細かいものを入れると沢山の道具になります。
そして、トラックの荷台に載せられた加工機で大きなものも綺麗に曲げていきます。
何ともほほえましいですね
そして、大工さんが作った窓の敷居に取り付けです。
現場にあわせて、細かい加工を重ねます。
つかみ鋏で曲げ加工をしながら、最適な形ができるまで力加減を調節します。
渋い黒の敷居板金が取り付きました。
もう夕方です。
明日には大工さんがステンレスのレールを付けて、ガラス窓と網戸の入る戸袋が完成です。
窓一つに、大工、板金、建具、塗装、ガラス、左官などの仕事がリレーするように組み合わせられて、一つの窓になります。
昔からの日本の木の家づくりです