16)基礎配筋検査
防湿シートの上から基礎の鉄筋を組むためにレベルコンクリートを打ちます。
捨てコンクリートとも言われますが、基礎の水平レベルをきちんと出すために打ちますのでレベルコンクリートと呼ぶようにしています。
この水平が正確に施工されていないと今後の仕事に影響します。
良い木の家にはすべて適当な仕事と言うものはありません。
レベルコンクリートを打ち終わったら、基礎の位置をレベルコンクリートの上に線を引くように墨を打ちます。
これを墨出し(すみだし)と言います。
レベルコンクリートをキャンバスに見立てて、黒い墨で線を引くようにして基礎の位置を出したら、今度は型枠を組み立てます。
良い基礎を造るためには、ベタ基礎の底一面に作られるコンクリートの盤=「底盤」と底盤に垂直に立ち上がる=「立ち上がり」を一度のコンクリートで打ち込む=一体打ちコンクリート基礎がベストです。
そのために、型枠は特別な金具で浮かせたように組み立てます。
黄色い型枠は鉄製の鋼板型枠です。
繰り返し使うことができるため、ラワン合板を使わずに済みます。
底盤の鉄筋は十文字に組まれています。
写真の中央やや下の部分は鉄筋が2倍組まれています。
これは、その上に床下点検のために人が床下を這いつくばって通るための、「人通口」(じんつうこう)という開口がある部分です。
この「人通口」という点検用の開口部により、基礎が部分的に切れて弱くなるのを補強するために入れた「補強鉄筋」です。
これも構造計算によって検討されたものを施工しています。
これは型枠の中の鉄筋の様子です。
一番上と一番下にある太い鉄筋=「主筋」(しゅきん)とその間の少し細めの「腹筋」(はらきん)と「L型に曲げられた「あばら筋」が溶接されています。
これは一番上の主筋がさらに太い鉄筋が2本の組まれています。
これも構造計算で補強指定のある部分を図面どおり施工してます。
このように配筋工事がほぼ終わると、私が配筋検査を行い問題が無いことを確認します。
その後、瑕疵保険制度による配筋検査が行われ、問題なく終了しました。
二重のチェックです。
たまたま、現場には打ち合わせをかねて、施主さんもこられました。
検査の結果を確認されて、配筋の状況をご説明して、ご納得いただきました。
やはり、ご自身の家づくりの過程を確認されるのは、設計者、施工者にとっても励みになります。
さあ、いよいよコンクリート打ちです