3)手造りキッチン2
手造りキッチンの魅力はいろいろあります。
A、一つはキャビネットや吊戸棚などの収納を自由に造れること。
B、また、素材をすべて無垢の木で造れることです。
A、自由に造る
キッチンでよく打ち合わせすることに、吊り戸棚とキャビネとの造り方があります。
吊り戸棚は主に使う奥様の身長によっては、ほとんど使えない場合が多いです。
もともとキッチンが公団住宅に始めて登場したときには、吊り戸棚が造り付けられていました。
引き違い引き戸で作られて、下の棚の位置も低くてまあまあ使えました。
というよりも、使わないと限られた広さの中でのキッチンで、収納が取れませんでしたので利用するしかありませんでした。
しかし、本来からすれば他の手が届きやすい収納が多くあったほうが良いです。
そこで、最近では設計上可能であるなら吊り戸棚を設けないで、窓や飾り棚、一部吊り戸棚にするケースが増えています。
また、キャビネットでもすべて収納にするのではなく、シンクの下をゴミの一時置きスペースにしたり、将来に車椅子を使うときのために開けておくなどの工夫を行っています。
これは、伊豆高原の家ですが、正面の吊り戸棚は左端を思い切って下までのばし、シンクの上はオープンラックにしています。
ラックの下にはパイプラックを作って、洗ったものをそのまま置けるようにしています。
天井の近くはあえて使用しません。
外が広い庭であれば窓にしても良いのですが、隣家の敷地が高くプライバシーが懸念されましたので窓にしませんでした。
シンクに下はゴミスペースとして、窓はラックの下の手元に明かりを入れる程度にしています。
若干暗くなることをトップライトによって解消しています。
これは、すべて無垢の木で造ったキッチンです。
無垢の一枚の板ではコストアップになりますので、幅の狭い板を一枚に組み合わせて幅の広い板にしてキッチンの収納の箱の底の板や側板にしています。
扉も無垢のサワラや杉で造っています。
このように、既成のシステムキッチンではどうも自由に造れないというときには、手造りキッチンが痒いところに手を届かせてくれます。
ただし、腕の良い大工で無ければ仕上がりに厳しい状況になる可能性がありますので気をつけなくてはいけませんが。
システムにあわせてキッチンを造らなくても良いですよ