4)間仕切収納
家具は壁に沿わせるように置きますが、造り付け収納は壁に沿わせるほかにも、部屋と部屋の間に造ることができます。
対面キッチン収納もキッチンと食堂(ダイニング)やひろま(リビング)を仕切るように造っていますが、基本的にはカウンターのみで、相互に視線が通るように造られています。
間仕切収納は完全に二つの部屋を仕切るように造ることから、半分つながるように造ったりすることが可能です。
建築構造の壁として仕切らずに、基本的にはワンルームで作っておいて間仕切収納で仕切ることで、将来はワンルームに戻したりすることが可能な造り方でもあります。
間仕切収納は天井まで作るか途中で止めるか、両面とも収納にするか、片面のみか、又はその組み合わせなどで様々なバリエーションが可能です。
腰の高さまでの収納はカウンター収納
天井までの収納はウォール収納
二つを組み合わせたものがセミオープン収納
などの三つの作り方があります。
それぞれのタイプでも、求められる収納機能、奥行きの確保の可否、両面収納と片面収納の組み合わせなどによって様々なバリエーションが展開できます。
これは伊豆高原の家 のひろまからキッチンを見たものですが、正面がキッチンです。
対面ではありませんので、キッチンは奥の壁についています。
キッチンとひろまを緩やかに間仕切る様に造られています。
両側から出入りができるようになっており、左半分はカウンター収納、右半分はウォール収納の組み合わせです。
また、ウォール収納はキッチン側が食器収納、ひろま側が絵を飾る飾り棚とオープンカウンター収納、左側はキッチン側から使う配膳用のパントリーカウンターと引き出し、収納が組み合わされています。
両面の使い方、左右上下の使い方まで緻密に打ち合わされて、機能性が高く、安らぎのある間仕切収納になっています。
このように収納は物を収納するという機能性以外に、空間を仕切り、絵画の展示や置き飾りの場所など木の家の生活を演出する重要な要素です。
これらを設計するためには、住まい手の方の収納物はもちろんですが、生活観やどのような木の家のインテリアを楽しむかなど、生活そのもののイメージを語り合うことから始められます。
収納計画はコミュニケーションから始まります