7)実施設計打ち合わせ
木の家の立体的なイメージを模型によって確認することで基本設計の内容がほぼ確定しました。
そのあとは実施設計のプロセスに入ります。
基本設計では設計の基本的内容(間取り、仕上げ、形などの意匠計画、構造計画、設備計画、概算事業費、外構計画など)を練り上げてきました。
実施設計ではそれらの基本的考え方をより具体的に、詳細に設計していきます。
平面図では基本設計では書き込まれていなかった柱や断熱材、外壁材、内装下地、柱より一回り小さい下地木材である間柱(まばしら)と呼ばれる材料まで細かく検討され書き込まれます。
調布の家では長期優良住宅を基本仕様に設計されるので、断熱材の施工性まで考慮して細部の寸法を決めていきます。
確認申請のためだけに割り切って実施設計を行う設計事務所も多いですが、実際の積算、施工段階まで考慮して細部まで検討しておかないと、いざ工事に入った時に現場施工上問題が発生することになります。
そこまでのことにはならなくても、いわゆる「やっつけ仕事」になってしまいかねません。
その意味では、実施設計は空間と素材感、施工のシミュレーションに尽きます。
立面図でも細部の微妙な寸法の確認が必要ですし、木の家の大きな断面図とも言える矩形図(かなばかりず)は構造と高さ寸法、材料の構成(構法)、仕上げ、空間的ボリュームなどを検討する重要な図面です。
調布の家では木の家づくりネットワークの新・あぜくらの家 の構法により設計されますが、合板を一枚も使わずにオール無垢の木の家を目指しています。
地震に耐える為の耐力壁は骨太筋交いを採用し、厚さ90ミリの木質繊維断熱材を使い、屋根、壁、1、2階床はあぜくら板によって構成されます。
このような検討を並行して行いながら少しずつ図面の完成度を上げていきます。
新しい技術開発も盛り込まれながら、リアリティが徐々に増していきます。
ただ、基本設計と違って、作業が細かく、高密になり、設計事務所内部での作業がほとんどのため、クライアントの方には何も進んでいないのではと思われがちなのがつらいですが・・・。
設計内容によっては大工や木材産地、電気工事職人との連絡、検討などを行いながらチェックします。
実施設計の初期段階で最初の打ち合わせを行いました。
小田原の家の会場をお借りしての打ち合わせは、実際の素材を確認しながらできることもあって順調に進みました。
これから、瓦の納まり、構造の詳細検討などに進んでいきます。
設計の内容をご理解頂いて一緒に設計していきましょう