59)漆喰系外壁左官仕上げ工事
産地直送された漆喰系左官材を使って早速に外壁左官仕上げ工事に入りました。
左官工事は左官材に水を加えて練る職人と塗る職人に分かれます。
左官材が一袋に18~20キロ入っているものがほとんどですので、その単位を目安に漆喰系左官材に白竜という白い砕石(約2ミリの粒)と雨に強くして接着強度を上げるためのプライマーを少し入れて、大きなバケツでハンドミキサーを使って練り上げていきます。
すでに工場で鉱物性顔料によって色をつけてあるものはそのまま塗れますが、色を微調整する場合はさらに色粉(いろこ)という鉱物性顔料を入れて色を加減します。
仕上げは基本的には二階の上の左から右へ、上から下へと塗っていきます。
途中で手を止めてしまうと、その境目で仕上げが違ってしまうため、同じ面は塗り終わるまで手の動きを止めることはできません。
左から右へ仕上げていくことから「左官〕と言われています。
右利きの人は基本的に右手で左から右に仕上げるのが自然ですが、サウスポーの左官職人集団がいても面白いですね。
因みに、昔の大工は今の図面のような「板図」(いたず)という、板に木組みの図面を書いたものを基本に仕事を進めます。
そのと板図の柱の位置を示す記号は右から左に、い、ろ、は・・と書き、上から下へ一、二、三・・と書いてその交差点の位置にある柱をい之一番などと組み合わせて呼びます。
大工は文章と同じく右から左に図面を書くので「右官」とも言われたとか。
伝統的木造建築の主役である大工と左官が右官と左官で、左官だけが残ったのでしょうか。
一番高いところはちょうど人が乗っても問題ない構造の庇を作っていますので、その上を足場にしています。
足場にワイヤーのウインチをつけて練った材料を上に上げますので、以前に比べて少し楽になっています。
天井は身体が柔らかくないと難しい仕事で、壁に比べて手間がかかります。
鏝捌きがうまくないときれいに仕上がりません。
天井と壁の入り隅や壁の出隅も気を使うところです。
左官の鏝もその用途に応じて様々なものがあります。
大きさ、形、表面の材質(鉄、木、樹脂など)によっていくつも用意されていますが、基本的には電動化されているのはミキサーとウインチぐらいです。
手仕事の風合いを外壁や内部、外構に残す左官は、大工工事に次ぐ木の家の大切な役者の一人です。
手仕事を大切にする木の家を応援してくださいo(^-^)o