11)面材耐力壁
木の家を地震から守る構造エレメントの中の「耐力壁」の一つの骨太筋交いを以前にご紹介しましたが、「面材耐力壁」(めんざいたいりょくかべ)の方が多く使います。
面材とは構造用合板や火山灰などを固めて合板のような大きさにしたものやケナフなどの植物繊維を使ったものなどいくつかの種類がありますが、一般的には構造性能認定を受けた構造用合板が多く見られます。
以前はラワン材などが多く見られましたが、その後アメリカ、カナダ産の松=米松(べいまつ)が主流となり、今でも多くが流通しています。
木の家づくりネットワークでは2002年より北海道産唐松のノンホルマリンの構造用合板を使用しています。
その時点から、構造材、仕上げ材は国産材100%になり、その後、2008年より細かい部材まですべての木材、建材は国産材となりました。
さて、北海道産唐松の構造用合板ですが、厚みは壁用が9ミリ、床用が12ミリで、幅は910ミリ、長さは1820、2730、3030ミリなど長さがあります。
外壁や内部の耐力壁に使うものは長さが2730(3×9板)、3030(3×10板)のものです。
土台と二階の梁との間や二階の梁と二階の天井の位置にある梁(軒面梁)などの高さまでと柱と柱の間の幅で一枚ずつ張っていきます。
写真は幅一間(1818ミリ)の壁に土台から二階の床の梁まで二枚を並べて張っています。
鼻を近づけるとプーんと唐松の香りがします。
この壁の下にある柱や間柱(まばしら)=柱と柱の間にある柱の三分の一ほどの太さの柱=に対して、「耐力壁ビス」という特別なビスでとめていきます。
地震時の木の家の横揺れに対して、構造用面材がつぶされ難い性質を利用して、
一枚あたり約80本のビスが大きな地震力を分散して負担することで、耐力を発揮します。
筋交いが両端部に力が集中する性質と異なる安定した力の流れを示します。
柱には間隔100ミリで、間柱には間隔150ミリでとめると、耐力壁の倍率が4.9倍という高強度な耐力壁になります。
構造計算上最大の倍率は5.0倍ですからほぼ同等です。
長さがやく4センチです。
2010年に開発されて、構造認定も取得しています。
現在も様々な利用の仕方を研究しており、より広く使い方が展開していくようです。
気になる錆びの問題も、環境に負荷を与えない防錆処理を行っており、長期的に見て安心して使うことができます。
このような新しい技術も積極的に利用しながら、コストダウンを図りながら、長期優良住宅同等以上の木の家を標準仕様としてご提案しています。