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2)シロアリを知って木の家を守る

シロアリはその名の通り白い色をしていますので、アリとは見分けがつきます。

 

シロアリのなかでも、九州、四国、近畿、東日本の太平洋沿岸地域に主に生息するイエシロアリは土中や建物内に自らの分泌物や排泄物、土などによって出来た塊状の巣やトンネル状の通路=蟻道をつくり、高いところまで食害を与えます。

食害のスピードは速く、乾燥した木材でも蟻道で水を運んで甚大な被害を建物全体に与えます。

 

ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に生息し、塊状の巣を作らず食害した部分を巣にして、集団で移動しながら腐食した木材や土中で生活します。

主にカビや腐朽と同時に食害がみられ、建物の土に近い部分に加害します。

 

シロアリは、アリと同じ社会性昆虫で、役割によって女王、王、副女王、副王、働きアリ、兵アリに分化しています。

その中で、働きアリが90~95%を占め、その姿は白く、乳白色で、ヤマトシロアリの方がイエシロアリより頭の大きさが胴体に比べ大きいくらいでほぼ同じです。

 

ですから、アリとシロアリは色で容易に違いが分かります。

 

ただし、5月の連休頃に良く羽アリが飛ぶのを目にしますが、このときは色が褐色になり、ありと見分けがつきにくくなります。

そこで以下の特徴の違いがありますので参考にしてください。

 

木の家散歩

捕まえてもしもシロアリが家の近くにいたようなら、床下の点検を行いましょう。

 

また、最近食害が見られるようになったアメリカカンザイシロアリは体長がヤマトシロアリの約2倍ほどあり、乾いた木材、家具などを小集団で食害し、坑道を作って中に生息しながら乾いた糞を外に出します。

 

外断熱工法で、基礎や外壁の外側に発砲プラスチック系の断熱材を張った住宅などでは、その断熱材をシロアリが食害を与えた報告も多く、木材だけでなく発砲系断熱材は木材より好んで加害するため、断熱材の選定にも注意が必要です。

 

コンクリートの打ち継ぎ目地や配管の隙間など、0.6ミリあれば侵入するといわれていますので、なるべくそうした隙間などが発生しないように対策が必要です。

 

木の家、自然素材の家を長持ちさせるためにも、温暖化によってシロアリの生息しやすい環境が広がるなかで、被害が大きくならないうちに工夫していきましょう。