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7)ばっこん板

耳付き板をテーブルの天板にすることをお薦めしましたが、耳付き板の中でもさらにオンリーワンな板がばっこん板です。

 

ばっこん板は、漢字で書くと伐根板です。漢字ですとイメージが沸くような、分からないように見えますので、ひらがなにしてみました。

 

ばっこん板の写真は150年の樹齢の金山杉の板です。

木の家散歩

 

よく見ていただきますと、上よりも下のほうが末広がりに大きく、広くなっているのが分かると思います。

 

これは、杉の木の地面に近いところから約2メートルほど上の部分を伐採したものです。

 

建築用語で下の広い部分を元口(もとくち)、上の狭い部分を末口(すえくち)と呼び、丸太の場合でよくそのような呼び方をしますが、末口の小さい方の丸太の直径寸法を指定して梁に使う丸太を発注したりします。

 

この耳付き板の元口は約80センチ、末口で約63センチほどです。

この板は丸太の中心部分ではありませんので、実際の木は直径1メートルを超えていたと思われます。

 

この部分をなぜ伐根(ばっこん)と呼ぶかですが、実はこの部分の木目を見ていただきますと分かりますが、木目=木の年輪が元口の広い部分が直線状でなく、炎メラメラのようでもあり、竹の子のようでもある力強い木目をしています。

 

金山町の木の家の中で、この板を正方形にして、薄くして、和室客間の天井板に使った例もあります。

 

木目としては面白いのですが、柱や梁に使うには木目に癖があり、反りやねじれなどが出やすいため、通直な部分になるところから下を切り落とします。

それが、根の部分を抜くということで伐根と呼ばれ、その板状のものなので伐根板と呼ばれます。

 

これはまだ癖の良い方で、木目の力強さと素直さが一体となった銘品です。

 

しかも、傾斜した山と金山の雪に耐えながら育ったためか、左右で曲線が微妙に異なり、まさに山と雪と杉の造形品です。

 

乾燥をされて、テーブルとしてお目見えするのが楽しみです。

 

因みに、根っこの部分の迫力がこの写真です。

ただただ、驚くばかりです。

木の家散歩

誰ですか、象の足みたいだなんて言った人はニコニコ