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18)水道配管更新工事

昨年はメンテナンスのお手伝いが多かった年でした。

入居後10年以上経過した住まい手の方が、消費税増税前にメンテナンスをしたいといわれる方が多かったこともあるでしょう。

木の家ではありませんが、1階から5階までがテナント事務所で、6階から8階までが自宅という形式の都内の自社ビルの給水システムの更新工事を行いました。

RC構造の水道管は古いものですと鉄管を使用しているものが多く、真っ直ぐな部分(直管)は塩ビライニング処理をした塩ビライニング鋼管ですが、曲がりや分岐部分はその処理がされていない鉄管が使用されている建物が多く残ります。

そのような部分を継ぎ手と呼んでいますが、継ぎ手の外側のネジの部分に錆が見えてくると、中の部分は錆が大きくなっています。

その錆の部分が曲がり角になるため、直管部分に比べ水の通りが悪くなり、上の階までポンプアップする揚水ポンプへの負担も多くなり、水道管が振動して「カーン」という音がする「ウォーターハンマー」が起こりやすくなります。

特に、下の階よりも上の階の使用推量が多い場合などは、木造二階建てでも起こることがあります。

オーナーさんはそのようなウォーターハンマーの音や浴室のお湯張りなどの時にたまに揚水ポンプが停止するなどのトラブルを抱えていました。

そこで、すべての配管を更新すると共に、これまで地下の受水槽にいったん水を貯めて、そこからポンプアップする方式から、水道管から直接ポンプアップする「直圧ポンプアップ方式」に変更する提案をしました。

新築時の製本図面をお借りして、建築構造と給水設備の図面を読み込み、新しい配管経路を検討したうえで、現場調査を行い配管設計を確定しました。

また、揚水ポンプのメーカー、仕様を検討して、水道本管からの引き込み配管の変更を決めて、見通しが立ちました。

 


二個のポンプが装備された揚水ポンプ

配管を縦に通すパイプスペース(PS)と、横に配管する天井懐に余裕があった事が功を奏しました。

ダイヤモンドカッターによる壁のコア抜きや一部露出部分のカバー化粧などにより、意匠的にも問題なく施工できました。

水道職人さん達の精力的な仕事により工期も約3週間で済みました。

工事終了後に、オーナーさんからこれで安心して生活できるとの感謝の言葉と喜びの笑顔を頂いたことで、ホッとしました。

木の家の水道配管はほとんどが架橋ポリエチレン管となって、錆の問題は解消されていますが、配管経路やメンテナンスの検討が重要になってきています。