2)LED電球ーその2
前回はLED電球交換についてご説明しました。
さて、本来のLED電球と白熱電球、蛍光灯電球の違いの中でも、大きく異なる点を比較して見ます。
大きな違いの一つは寿命です。
白熱電球が1000時間、蛍光灯が12000時間であるのに比べて、LED電球は40000時間です。
一日6時間使用したとして約18年ほど使える計算です。
白熱電球や蛍光灯電球は、スイッチのオン、オフが寿命に影響を与えますが、LED電球は影響がまったく無いことから、トイレや洗面所などオン、オフの頻度が高い照明はより効果が違います。
次に、電力消費量は白熱電球の54Wタイプとほぼ同等の明るさが得られる蛍光灯は10W、LED電球は6.9Wと、白熱電球の約1/8、蛍光灯電球の約70%です。
色が鮮やかに見えるかどうかの演色評価数では白熱電球よりは劣りますが、蛍光灯電球とほぼ同じで、大きな差は感じられないと思われます。
光の広がり方では、白熱電球や蛍光灯電球では電球の周囲が明るくなるため全体照明として適していますが、LED電球は電球の向いている方向には明るく、側面や背面方向は光が廻らないという方向性が強い性質があります。
その他、重さはLED電球がもっとも重く、発熱は最も少ないなどの違いがあります。
価格的には白熱電球の100円程度に比べて、蛍光灯電球は1500円前後、LED電球は3000~4000円ほどします。(現在時点)
寿命から判断して3種類ともほぼ同等ですが、消費電力が少ない分割安で、環境対応型だともいえますし、コストダウンにより一層の普及が期待されます。
今後のコストダウンとリサイクルの仕組み、製造時の環境負荷の低減、光学特性の改良などが進んでいくことで、環境にも人にも優しい照明として期待されます。
ただし、電球と照明器具と一体的に作られたLED照明は現在ではまだコストが高く、ビル建築などに使用され始めている段階で、住宅用としてはまだまだ開発の余地がある状態です。
そこで、住宅用ではネジ式電球(白熱灯、蛍光灯)を使う照明器具の電球をLED電球に替えるということが現実的かも知れません。
例えば、天井埋め込み型のダウンライトのネジ式電球タイプなどの交換です。
天井埋め込み型であれば、光の方向性が強くても問題は無いですし、交換も容易です。
ただし、LED電球の明るさが白熱灯100W相当のものが無く、60W相当が最も明るいタイプのため、現状よりも暗くなることがあるかもしれません。
近い将来にさらに明るい電球が開発されることを期待して待って、当初はネジ式蛍光灯の照明器具にしておくことも良いかもしれません。
使用箇所としては、吹き抜けや高いところ、トイレや洗面所などのオンオフが頻繁に行われるところなどが利便性が高いでしょう。