23)木の家の洗いが出来る塗装屋さん
15年目後の木の家リフォームの中でも最もリフレッシュ感が大きかったのが木のお風呂のブラッシュアップです。
在来工法で作った浴室ですが、念のため水周りの床下点検も一緒に行いました。
結果は問題なく、シロアリの痕跡も無く、綺麗で、乾燥していました。
さて、浴室内の仕上げは腰の高さまではタイルで、腰から上の壁と天井はサワラの縁甲板(凹凸の加工をしてある板で組み合わせて面を作ることが可能)で仕上げたものです。
当時はシックハウスの問題からドイツ製の自然塗料をお薦めしていたので、植物油をベースにした塗料で仕上げていました。
しかし、どうしても細かな清掃をしないと、日本の高温多湿の気候風土では必ずしもメンテナンスフリーというわけにはいきませんでした。
そこで、これまでのメンテナンス塗料の試行錯誤の中でたどり着いたある会社の塗料を使って洗いを掛けました。
昔の日本の木の家は、アク洗いという「灰の煮汁」を使った自然のアルカリ系の水でアクを洗っていました。
木の家の柱や天井、欄間など無垢の木がくすんできたり、ススなどで汚れてきた時にはこのアク洗いで綺麗にリフレッシュしていました。
昔からその様な仕事をした経験のある塗装屋さんや、師匠から技を受け継いできた塗装屋さんはよく分かりますが、最近の石油化学塗料しか経験のない塗装屋さんでは、アク洗いのコツが分かりません。
ただし、さすがに塗料は工夫された最近の塗料を使って洗いますが、
そのコツは木の表面を痛めないように注意しながら、変わりようを確認しながら、丁寧に進めます。
塗料は、漂白系、アク洗い系、赤身復元系、シリコン仕上げ系の4つの塗料を、二日にわたって使っていきます。
職人さんの根気の必要な仕事ぶりに、綺麗にサワラの見の色が復活しました。
仕上げのシリコン系塗料は、水をはじき返し、カビやアク、汚れが付かないように守ってくれます。
日本の伝統的木の洗いが出来る職人さんならではの仕事です。