(9)LED電球の明るさとは
LED照明関連の開発が急速に進んでいます。
これまで一般的な照明分野での普及が主でしたが、店舗やディスプレイ用の特殊なハロゲン電球に変わるものまで登場しそうです。
以前は100W相当のLED電球がありませんでしたたが、電球の熱対策が進み、少しずつ製品が増えてきました。
私が設計する木の家でも、2010年からほとんどをLED照明に切り替えました。
その中で、既存の電球のLED化のための、口金がねじ式のLEDランプ=LED電球は家電量販店やネットショッピングでも多くのメーカーが品揃えを増やしています。
あまりに沢山あるので選ぶのみ迷うほどですが、選定の目安の第一は明るさになります。
40W相当、60W相当という表示が目立ちますが、メーカーによっては微妙に異なりますので、明るさの基本を踏まえておく間違いがありません。
LEDに限らず、蛍光灯などの照明の明るさを表す単位とその内容は三つの指標で表示されます。
基本は「光束(こうそく)」で、照明から放射される光の総量(全光束)を表します。
単位はルーメン(lm)で、単位時間当たりに放射される光の総量です。
もう1つは「照度」で、単位面積当たりに入射する光束を表し、単位はルクス(lx)です。
よく子供の勉強机の明るさを確保するということで、日本ではこの単位がよく聞かれました。
最後は「光度」で、ある方向に対する光束の密度を表し、単位はカンデラ(cd)です。
これはあまりなじみが無いですが、ピンポイントで光を当てる照明などの光の強さを確認する単位として用いられることがありますが、やや特殊な単位です。
一般的なLED電球の明るさの確認はルーメンで確認しますが、製品の箱にも表示されています。
社団法人日本電球工業会ではLED電球の明るさ表示のガイドラインを定めています。
従来の白熱電球のW数との関係で、消費者に明るさのイメージをつかみやすくしています。
それによると、40W相当の明るさを485lm、60W相当を810lm、100W相当を1520lmと規定しています。
製品の箱に表示されている○○W相当という表示の他に、lm表示の数字によって間違いなく確認できます。
なお、ダウンライトのように天井に埋め込まれて下のみを照らす照明には、照射方向性の強いLED電球は向いていると思われますが、その場合でも全体に明るくする全般照明や狭い範囲を照らすナロー系照明などがありますので、設計段階で照明器具の照度分布図を参考にして器具選択をしています。