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2)太陽光パネルの性能低下のリスク

太陽光発電システムの選定において一番気になることは発電性能です。

価格は住宅用の場合には補助金支給条件の価格が市場を規定し始めていますので、一般的な設置工事の場合はほとんど変わりなくなってきました。

また、施工技術は一時期のような載せればオーケーといった悪徳業者も少なくなり、メーカーの施工講習と認定を受けている業者であれば、施工実績と事前の工事内容をきちんと説明してもらい、施工写真の提出を条件にすると、ほとんど問題はなくなりました。

ただし、屋根荷重と下地の検討は必要ですが。

太陽光の電気への変換効率とパワーコンディショナーの変換効率が高いものを選定して、発電量のシミュレーションを行うと比較検討できます。

10年、20年と長い間発電し続けるわけですので、発電効率の違いは預金金利のようなもので、長く使えば使うほどその差がはっきりしてきます。

そうした初期設定の発電性能だけでなく、パネルの環境条件と電圧状態で、その性能の低下が懸念されています。

それはPDI ( Potential  Induced Degradation)現象と呼ばれるモジュールの性能劣化です。

太陽光パネルの内部回路(セル)と、取り付けられたパネルのフレームとの間に高電圧がかけられた状態で、温度や湿度などの外部要因が

加わった場合に出力低下が生じる現象です。

太陽光発電システム全体の総出力を低下させる可能性があり、太陽光発電システムの電圧が高く、高温多湿な環境において起こりやすいとされています。

最近の太陽光パネルは高電圧のものが多くなりつつあり、パネルの構成部品であるガラス、裏側のバックシート、周りのフレームなどの相互関係で、出力低下が発生します。

現在メーカー各社でも実証試験を行うなどして検証結果をリリースし始めています。

パナソニックの発表では、HIT太陽電池の極めて高いPID耐性が実証されたとしています。

第三者試験機関の摂氏60度、相対湿度85%、電圧1000V、試験時間96時間の条件でも性能低下が起きなかったとしています。

そのほか、そのほかにもQセルズ、シャープや京セラ、サンテックパワーも性能低下が見られないことを公表しています。

 
発電性能は太陽光発電の採算性に直結するだけに、「耐PID性能」は今後の太陽光モジュール選択に重要な項目として検討していくことになりそうです。