6)収納計画と設計
調布の木の家の設計が山場を迎えています。
プランニングによる間取りと空間構成が決まり、構造設計が進行しています。
色のついた木組みの図面をもとに、木組みの太さを決めて、最終的に「許容応力度計算」というビル建築と同様な構造計算を行って、震度7でも大きな損傷が無い木の家づくりを目指しています。
その一方で、細部の納まりと収納計画と設計が進められます。
細部の納まりは、新・あぜくらの家の工法で長期優良住宅の仕様を満足させるために、特に断熱材の納め方とそれによる細かい木材加工です。
収納計画は木の家に造り付けられる収納の方針と設計ですが、お施主さんが実際に生活し始めてからの快適性に密接に結びついていますね。
造り付け収納は、木の家と一体となって造られた収納で、インテリアとしてトータルに設計できます。
地震時にも木の家と一体となっていますので、揺れが少なく中のものが飛び出すようなことは稀です。
そこで、まずは最初に収納する什器、日用品、家電製品などの寸法を測っていただいたり、場合によってはこちらでお邪魔して測ります。
それらのものをどのように収納するかの基本的な考え方の整理をします。
キッチンなどで、なるべく見えないように扉で隠す方法や、扉を付けずにオープンにして使い勝手優先にする方法など、奥さまが中心になって考える部分や家族で一緒に考える収納などを大まかに決めていきます。
細かいところでは、キッチン、洗面脱衣室、リビング周りの収納、ウォークインクローゼットなど収納されるものが小さく、細かいところが重要です。
そして、家具を置く位置ももちろん重要で、ダイニングテーブルなどは照明との兼ね合いがありますのでポイントになります。
これらの打ち合わせはまずは私の事務所にて行いますが、細かい内容になりますのでその都度打ち合わせを行っていてはお施主さんも大変ですので、図面による確認をお願いしています。
最近はメール環境が一般的になっていますので、図面や資料をPDFファイルにして送り、自宅でゆっくりと話し合いながら検討してもらっています。
説明コメントと共に送り、メールのやり取りでクリヤにしていきながら詰めていきます。
これは、その時に送り図面の一部で、展開図と言われるものです。
部屋の中心に立った場合に、壁の方を見てどのように見えるかを書いた図面です。
内容はキッチンの造り付けの壁面収納です。
下の図面が正面から見たもので、左に冷蔵庫スペースがあり、正面のカウンターは盛り付け、調理のためのサブスペースとしています。
電子レンジ、スライド棚時期の炊飯器収納など、奥さまを中心としたご要望を組み込みながら、専門家としてのアドバイスを差し上げながら決められていきます。
カウンターの高さや幅、収納の大きさなどに寸法が入っていますので、自宅でスケールを使いながらシミュレーション出来ます。
このように、造り付け収納の細部の設計と家具の位置、置き場がきちんと組み込まれますと、住むための道具としての木の家が快適になっていきます。
断熱や通風なども重要ですが、収納計画もストレスにならない木の家ライフにとって、欠かすことのできない設計ポイントです。
肌理の細かい収納計画にお付き合いください