6)耳付きテーブルの天板
木の家には木の家具が似合います。
シャープなデザインがお好みの場合は細部まで加工したデザインになりますが、なるべくナチュラルな、素朴なイメージを希望される時は、耳付きの板をテーブルの板=天板に使うと良いでしょう。
耳付きの板とは丸太を製材して板にするときに、丸太の皮の部分の丸みを残して製材した物で、テーブルとして製作するときにその丸みを活かして仕上げる方法です。
その丸みは他に同じものが無い、オンリーワンの自然のデザインでもあり、とても気持ちが安らぐゆらぎのカーブです。
近代家具作家の大御所である、日系アメリカ人のジョージ・ナカシマの木のテーブルは、見るものを圧倒する自然の造形を活かし、テーブルとして使うことを拒むような迫力の作品があります。
親和性の高い木の家の中で使うにはそこまでの迫力は必要ありませんが、親しみと慈しみを感じさせる耳付き天板のテーブルは、木の家のアイテムとしていつかは実現したいものですね。
しかし、一時期の無垢の一枚板テーブルのブームで、家具工房が多くを扱ったため急に価格が高くなり、いいけれど高いということに受け取られてしまいました。
そこで、木の家づくりネットワークの産地直送、流通マージンカットにより、個性的な耳付き天板を、金山町森林組合のストックから選んで安く造ることが出来るようにしました。
下の板はユリノキといっても花のユリではなく、最初は緑かかった不思議な色をしていますが、陽に焼けてくるとアメ色に変わります。
ユリノキを使った冷蔵庫BOXの実例はこちらから
また、ドアの素材に使われるタモもあります。幅は狭いですが長いので、脚の材料にも使い回しが出来ます。
表面はくすんできれいに見えませんが、磨き上げると美しい木目と流麗な曲線が輝きます。
何の木にしようかなと迷うのも楽しく、一期一会の木との出会いは物語そのものです。