17)構造設計と間取りは仲良くするのが大切
構造設計と構造計算が必要なことを理解した上で
構造設計は何をするの?ということが次の疑問です。
木の家を造るために、どんな間取りにするということは
誰でも考えることです。
昔はどこの家もほとんど同じ間取りでした。
農家の場合は、田の字型和室があり
その隣に土間や台所があることが基本で
その上に大きな屋根をかければほぼ完成でした。
ですから、構造もほとんど同じで、費用も
大体同じで、造りながら支払いをすることでも
後で問題にはなりません。
今では、敷地、環境、家族構成、予算、デザインなど
一つとして同じ間取りはありませんし、工事費も
バラならですから、見積もりが必要です。
間取りと構造が一致していた昔の期の家に比べて
現代の木の家は間取りが一人歩きで進んで
後から、構造をどのようにするか決めることが多いです。
ともすると、構造の検討、構造設計が中途半端で
次に進むこともあるようです。
構造設計は基本設計という設計の最初から
一緒に検討していかなければなりません。
木の家づくりネットワークでは構造設計の考え方を
セルフレーム構造という考え方で設計の最初から
組み込んで検討しています。
木の家を間取りのような平面だけでなく
3次元の立体空間をイメージして、その立体空間を
どのように組み立てるかを検討します。
間取りを立体的に立ち上げた時に
部屋の空間を一つの細胞=セルの集合体のように
考えます。
そのセルとセルが組み合わさって、一つの
木の家が出来ますが、そのセルの境界に
木組みとなる柱、梁などの構造木材が
切れることなく繋がるようにする考え方です。
特に、それらのセルが上下、1階と2階で
同じ形で重なると、問題は少なくなります。
しかし、1階よりも2階のほうが小さかったり
逆に2階が大きいなど、上下に番があるときには
十分な検討が必要です。
和みの木の家では、北側の一部、西側のすべて
南側の一部が2階の方がセットバックして小さく
外壁の線がずれています。
プランニングの過程で、規模や間取りなどの関係から
その必要性がありました。
北側の一部と西側全部がセットバックしてます。
南側も3分の2ほどセットバックしてます。
このプランニングを検討する初期の段階で
構造の検討を部分的に行って、問題なくクリヤできる
ことが分かったため、設計を先に進めました。
特に角は隣り合う外壁が両方とも
セットバックしていますので、十分な検討が必要でした。
構造設計と間取り・プランニングは木の家の
両輪ですから、仲良くしなければなりません。