16)手洗い鉢いろいろ
どのような木の家を造るかを決めるときに、「料理を作り、食べる」、「くつろぐ」、「休む」、「収納する」などの家族の生活の好み、イメージ、機能について考えることで大まかな整理ができます。
そこに、三次元の空間イメージを重ね、全体の外観、スタイルを重ねていきながら、行ったり、来たりの設計を進めていくことで、具体的な木の家の姿が現れてきます。
その設計プロセスに家族が積極的に参加し、関わることで、我が家らしさを感じられる家になります。
自由に設計して、出来るだけ「家族の想い」を木の家に盛り込んでいくのが、建築家としての基本です。
よく、人の褌で相撲を取る建築家がいますが、一生に一度きりの家づくりを建築家の好みやこだわりのデザインだけで設計されてしまっては、住まい手も浮かばれませんね。
木の家の大きなコンセプトは家族の想いを組み込みながら進んでいきますが、細かいところでは「家族の好み」を組み込んでいくことがしばしばあります。
その中の一つに手洗い鉢があります。
少し和風のテイストになりますが、ガラス製のモダンな物もあります。
これは、川口の家の二階リビングの北側のコーナーにある手洗い鉢カウンターです。
無垢の杉板に組み込まれており、カウンター下の収納やオープン棚、トール収納に囲まれながら、45度に振れて斜めになった壁を活かして納めています。
これは鶴川の家の一階のトイレの手洗いです。
角を活かして三角の無垢の杉のカウンターに組み込んでいます。
下は収納にして、腰壁に板を張っています。
斜めのなっているのがよく分かると思います。
これも、入り口の扉が引き戸のために出来る技です。
これは代田の家のゲストルームの手洗い鉢です。
こちらは杉の一枚板のカウンターにつけています。
手洗い鉢が陶芸作品でもありますから、お客様にも柔らかいイメージが感じられて、違和感はないと思います。
これは大泉学園の家のトイレの手洗い鉢です。
こちらはなんと言っても、壁の和紙の色がインパクトがあります。
写真では赤っぽいですが、これは電球色の蛍光灯ダウンライトの影響で、少し赤みが強く出てしまいました。
本当はもう少し落ち着いた色ですてきなのですが・・・。
この色が普通の色合いです。
このように、細かな部分では家族の好みやアイデアを盛り込んでいくと、思わぬ新しいデザインが可能となる場合もあります。
小さな好みが木の家を我が家らしく演出します