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7)地盤調査と考察

設計の初期段階の基本設計において
地盤調査を行いました。

建替えの場合は既存の家がありますから
庭などの敷地のあいた部分で行う場合があります。

ただし、その場合でも解体の後に新しい木の家が
建つ部分の地盤を中央と四隅の5箇所を
地盤調査する必要があります。

既存住宅の周辺部分での調査は
あくまでも参考に過ぎません。

更地の場合は、基本設計が決まってきてから
家のシルエットを敷地に描き調査します。

以前の状態が庭や樹林地の場合は
樹木の伐採の後になるため地盤が柔らかい状態です。

伐採後時間が経っても、ある程度の間隔ごとに
突き固めていないと
表面は硬いようでもその下は柔らかい状態です。

地盤調査は表面波探査と
スウェーデンサウンディング方式の併用です。

表面波探査は写真の右下に見える起振機から
発生する振動波を、左上の二つの受信機の間の
地層にどのように伝わるかのデータを分析して
地盤の耐力を調査するものです。

ドンドンと音を立てるのではありませんが
ウーーとうなるように振動波を発生します。

そのデータをPCソフトで分析します。

これらの機械は単純なもののようですが
価格は高価な金額になるそうです。

初期投資が回収できたかと思うと
さらにバージョンアップやメンテナンスで
高額な費用が掛かるとのことで
調査会社の八木さんも大変だとのことでした。

この調査の他に、よく一般的に行われている
スウェーデンサウンディング方式の調査も
行い、データの相互補完、検討を行います。

ヤジリが先に付いた鉄の細いパイプを
錘を載せて、回転させて、どの程度地盤に刺さるかの
状態で強度を推測します。

人の手で動かすことも行われていますが
人の捜査状況によるデータのばらつきを懸念して
電動により機械を動かします。

ヤジリが地面に刺さろうとするところです。

正面に見える丸いものが錘です。

表面波探査の起振機も重いのですが
この錘も重く、重労働です。


錘の位置が地面に近づいているのが分かります。

ヤジリの付いた鉄パイプ=ロッドが地盤面に
刺さっています。

2M程度のロッドをつなぎ合わせて、ある程度の
固い地盤まで深く差し込んでいきます。

この方式は地盤の地質や地下水位も確認できるため
やはり必要です。

サウンディングの状況からして
地盤の硬さ=地耐力が十分とは言えませんでした。

表面波探査の速報もその場で確認できました。

両方のデータの考察に基づき
地盤の上の木の家の設計内容と照らし合わせて
地盤の補強方針を決めます。

結果として、約1.5Mの深さまで地盤改良を
行うこととなりました。

調査会社によっては、必要以上に不安をあおり
高価な地盤補強工事を必要とすると
報告書にまとめて、工事会社に引き継いでいる
事もあるようです。
建築士や専門家による調査考察と建築物の内容の
検討が重要です。