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3)一体打ちコンクリートベタ基礎

地盤調査結果に基づき地盤耐力を確認し、不足する場合は地盤改良などの対策を講じると、いよしよ基礎の出番です。

 

基礎はまさに縁の下の力持ち。

 

木の家自体の重さ=自重、生活することで必要になる家具や収納物、生活者の重さ=積載荷重、雪の重さ=積雪荷重などの上からの荷重=垂直荷重をきちんと地盤に伝え、風圧や地震、周辺道路などの振動などの揺れ=水平荷重も同様にきちんと地盤に流していく重要な役割を持っています。

 

地震に強く、木材の樹齢以上に長い間木の家を支える基礎を造ることは、住む人、町の人の命、大切な資産を守る上でもとても重要です。

 

そこで、次のような基礎を作ることをご提案しています。

 

1、木の家の床下全面に厚さ15センチの鉄筋コンクリートの水平の盤=底盤を造り、その上に厚さ15センチの土台を支える垂直の梁=立上りがあるベタ基礎とする。

 

一般的には、底盤、立上り共に厚さ12センチが多いです。

中にある鉄筋を包み込むコンクリートの厚さ=かぶり厚が最低限ギリギリのため、施工誤差により適正なかぶり厚が確保できないことがあります。

コンクリートは空気中の酸素により徐々に酸化→中性化して、強度が落ち、水が浸み込み易くなりますが、鉄筋がその影響を受けやすくなり、錆びによって割れを引き起こします。

そのような強度低下をなるべく遅くさせるために、コンクリートを厚く打ちます。

 

勿論、基礎の強度、安定性が向上します。

 

 

2、底盤と立上りが一回のコンクリートで打ち込まれた一体打ちコンクリートベタ基礎とする。

 

一般的には、底盤と立上りは二回に分けて別々にコンクリート打ちされます。

その境界面の隙間から、水分や空気が入ることで中性化の進行を早めてしまう懸念があります。

また、苛酷な環境においてはシロアリの侵入経路となることも危惧されます。

 

RC造の建物で言うと、立上り=梁、底盤=床盤と同じことになり、RC造の一部を切り取って基礎にしたような、RC造と木造が一体となった高強度な木の家になります。

 

木の家散歩

 

 

3、コンクリートの水セメント比を50%以下とする。

 

コンクリートの水を多くして、打設しやすくする手抜き工事=シャブコンということも以前はよく言われましたが、水の量を多くするとコンクリートの品質が下がり、中性化しやすくなります。強度も下がります。

 

水とセメントの比率=水セメント比50%以下に抑えることで、中性化を遅くし、強度低下を防ぐことが重要です。

 

 

4、鉄筋の内容は構造計算によって決め、必要に応じて補強する。

以前は鉄筋の数量や太さ、間隔などを決まりきったパターンで造られたものがほとんどです。

 

しかし、地盤の状況や木組みの形、耐力壁(地震や風圧に対抗する壁)の位置や量によって、鉄筋の組み方も変わってきます。

特に、瓦屋根ねどの重い屋根の場合は、地耐力との兼ね合いからも部分的に変わってくることがあります。

 

構造計算に基づき、鉄筋の内容を決めると共に、床下点検のための立上り部分をカットするところなどは、鉄筋の補強が必要です。

 

5、きれいな基礎を造る。

 

よく、ジャンカということを言われますが、コンクリートに含まれた空気が穴となって見えてくるものです。
そうしたジャンカやコンクリートのムラがないように現場で職人の腕を発揮してもらわなければよい基礎は造れません。

 

立上りの天端の高さも、設計高さからプラス、マイナス1ミリ、最大2ミリ差にそろえるように施工します。

 

 

こうした高品質の基礎の上に、安心の木の家が支えられていることを肝に銘じて、設計施工に取り組んでいます。